「そんな首輪、売れないよ」と言われた日から始まった開発秘話
「え?サイズ調整できないんですか?
そんな首輪、売れませんよ?」
ブランド立ち上げ段階のあるとき、知り合いのペット用品店の社長に言われました。
たしかに、量販店に並ぶ首輪の多くはサイズ調整式です。
サイズが固定された首輪は、
作り置きもできないし、大量生産にも向かない。
メーカーにとっては、非常に“コスパの悪い”商品とされています。
調整式であれば、小型犬から大型犬まで幅広いお客様に買ってもらえて
少ない型で大量に作れ、売り先も広がる。
──たしかに、それは「売る側」にとっては理にかなっている考え方です。
でも、それって本当に「愛犬のための設計」と言えるのでしょうか?
そんな疑問がウッドフィールドの出発点でした。
サイズ調整式が抱える“問題”
なぜなら、
調整幅を広げるほど、ベルトは太くなり、必要な金具やパーツの数も増える。
サイズに余裕を持たせれば、首元で余った部分がだらりと垂れ下がる。
すると、どうしても首輪は「ゴツく」なってしまいます。
──その結果、小さな愛犬の首元には、
まるで「借り物」のような、しっくりこない存在感が残ってしまう。
さらに、重くなった首輪は繊細な首に負担をかけ、
大きな金具は喉元に当たりやすくなります。
それって、果たして「おしゃれ」と言えるんでしょうか?
それって、毎日つけて気持ちいい「快適なもの」と言えるのでしょうか?
「誰にでも合う」より「うちの子にぴったり」を
犬は、一頭一頭、首の太さも毛の量も骨格も違います。
とくに小型犬にとって、わずかな重さやサイズのズレが快適さに直結します。
なのに、「ひとつで幅広く対応できる首輪を作るべきだ」という提案は、
その繊細な違いを全部無視して、メーカーの都合だけを優先しているように感じてしまったのです。
私はそんな考え方にはどうしても共感できませんでした。
だからこそ私たちは、あえて非効率な選択をしました。
「誰にでも合う首輪」ではなく、
「あなたの愛犬のための一本」を作る。
それが、ウッドフィールドの原点です。
素材の壁と、あの一言
商品化を進める中で、まず直面したのが素材の壁でした。
革材やパーツを探し、あちこち相談して回っていたとき、
ある担当者に言われた言葉を今でも忘れられません。
「レザーは高いから、合皮にしたら?
最近売れてる首輪も、ほとんど合皮ですよ。」
そして、追い打ちをかけるようにこう続きました。
「犬を飼ってる人って、合皮か本革かなんて気にしませんよ。
見た目は一緒なんだから。」
そのとき、私は思わず言葉を失いました。
目の前の人は、悪気はなかったのだと思います。
生産効率や売上だけを考えれば、それが「正解」なのかもしれません。
でも──
私はその言葉に、どうしても納得できませんでした。
「見た目が一緒なら、それでいい?」
「大事な愛犬の肌に直接触れるものなのに?」
静かに、でも確かな怒りのようなものが、胸の奥に湧き上がってくるのを感じました。
「うちの子に毎日つけるもの」だからこそ
たしかに合皮は、”レザー風”に見えます。
安価ですし、大量生産にも向いています。
でも、合皮の元はポリエステル。つまり、石油からできた化学繊維です。
通気性が低く、愛犬の肌トラブルの原因になることもあります。
劣化も早く、表面がべたついたり、ポロポロと剥がれたりもします。
だからこそ私は、本革にこだわりたかったのです。
その瞬間はっきりと決意しました。
「愛犬想いの首輪を、自分たちの手で作らなきゃいけない」
何十種類ものレザーとの対話
それから何十種類ものレザーを取り寄せ、
直接手で触れ、頬に当て、香りを嗅ぎ、柔らかさを確かめました。
これじゃ固すぎる。これは重い。これは分厚すぎる。...その繰り返し。
“愛犬が毎日つけるもの”として、妥協のないレザーを探し続けました。
そして、ある日。ようやく出会えた、理想の素材。
軽くてふんわり優しい肌触り
耐久性も申し分なくて、
自然な革の香り。
「これだ……」
非効率の先にある「たった一本の価値」
そのレザーで形にしたのが、現在の商品です。
・小さな子がつけてもストレスにならない軽さ
・華奢な首元でもゴツく見えないバランス
・サイズ調整ではなく、「ぴったり」になるためのオーダーメイド
メーカー目線からすれば、決して効率的とは言えません。
大量生産できませんし、在庫を抱えることもできないので、
ご注文からお届けまでにお時間をいただきます。
しかし
だからこそ、一つひとつが「特別な一本」になるのです。
職人が丁寧に一つずつ手作業で作り上げ、
あなたの愛犬のために最高の一本をお届けします。
道具ではなく、思い出になる首輪を
私たちは、大量に売れる商品ではなく、
“思い出に残るもの”をつくりたいと考えています。
「うちの子のために選んだ一本」だからこそ、生まれる愛着があります。
・記念日の贈り物として選ばれた首輪
・成長してサイズアウトしても、捨てられずに残している一本
・旅立ちの日、首元にそっとつけてあげた一本
そうやって、誰かの大切な時間の一部になること。
それこそが、ウッドフィールドの全てのものづくりにつながっています。
最後に
あなたの愛犬がつけている首輪は、本当に心地いいものでしょうか?
ウッドフィールドは、
「あなたの大切な家族のための特別な一本」を、これからも届けていきます。
そして一緒に過ごす時間が、かけがえのない思い出となりますように。